オーロラ 

最近、まっちゃんは、またコンパをやっているらしい。
この前も、4対4でやったんだって。
健ちゃんが言っていた。
彼は、コンパをやっても、あまり女の子に気を使わない。
でも、話す声はでかい。
この前、居酒屋なのに、店員さんに『もう少し静かにして下さい!』と言われた。
いつも、女性に、名前より先に、『あの声のでかい人』と言われる。
先日のコンパの中での会話。
まっちゃん:『最近、どこか旅行行ってる?』
女の子:『最近は、あまり出かけてないんです。』
『これから寒くなるから、温泉もいいね。雪見の露天風呂なんか。』
『いいですね。 でも、冬はあまり出かけるところないですよね。』
『北海道がいいよ。冬の北海道が、またいいんだよ。』
『そうですか? 何か寒そうだけど。』
『大丈夫だよ。そう言いえば、前に冬の北海道旅行したよ。』
『あ〜そうですか。寒そうだけど、楽しそう。』
『うん、流氷、見に行ったんだよ。すごいよ。流氷の上に、アザラシとかいるんだ。』
『すごいですね! 見てみたい。』
『本当にすごい。自然はすごいよ。』
『でも、流氷も良かったけど、やっぱりオーロラが感動したよ。』

『えっ?』
『オーロラも綺麗だよ。透明で。』
『ん? オーロラなの? あの?』
『うん。 あのオーロラ。 知らないの?』
『いや、知ってますけど、オーロラって、北海道じゃ見れないですよね。』
『見れるよ。何言っているの。オーロラだよ。』
『オーロラって、アラスカとか、フィンランドでしか、見れないですよ。』
『はぁ? 見れるよ。 綺麗で、透明で、可愛いじゃん』
『えっ? 生きてるんですか? 可愛いですか? まあ綺麗ですけど。』
『可愛いじゃん。泳いでる姿。』
『んん??。 オーロラ、泳ぐんですか? 泳ぎませんよ。オーロラですよね?』
『うん。 オーロラ。 知らないの?  えーと、確か、海の妖精って言われてるんだよ。』
『北海道の流氷の下でしか見れないんだ。』
健ちゃん:『はぁ? おーい、お前、それって、クリオネの事言ってんの?』
『ん?』
『クリオネですよ!』
『ん?ん?』
『ク・リ・オ・ネ! オーロラでは、ありません!』


あら〜、また、まっちゃん、やっちゃった。