無○乗車

まっちゃんは、今まで新幹線に一人で乗ったことがない。
前に、苗場にスキーに行った、帰りの話。
苗場でスキーをして、帰りに猿ヶ京温泉に泊まり、
美味しい豆腐懐石料理と温泉三昧。みんな大満足。
次の日は東京ディズニーランドで遊んで帰ることになった。
そして、東京へもう一泊することに。
でも、まっちゃん、次の日どうしても用があり、帰るとのこと。
ディズニーランドで遊んでいても、夕方頃から、
どうもまっちゃん、ソワソワ。
「どうした?まっちゃん?何そわソワソワしてんの?」
「帰りがちょっと不安なんだよね。」
「なんで?」
「俺、一人旅したことないし。」
「旅ったって、ただ帰るだけじゃん。」
「それでも、心配なんだよ!」
「そうだね、方向音痴だし。地理弱いし。おまけに一般常識ないし。」
「うん。まーね。 なんでやねん!でも少し言えてる。」
何で、関西弁なんだよ?
「東京発の最終に乗るには何時くらいに出ればいいかな?」
「心配なら9時前に帰りな。」
と言うことで、まっちゃんだけ一人で、8時半に帰ることに。
「バイバイまっちゃん。」
まっちゃん少し不安そう。

数日後、まっちゃんに会った。
「まっちゃんどうだった。大丈夫だった。」
「うん。なんとか。でもちょっとあったけどね。」
「東京駅で、どれ乗っていいのか、よく分からなかったよ。」
「緑や青の新幹線がたくさんあるし。」
「ん?」
「車内放送で、『新富士川』と聞いたとき、この新幹線であってたと思ってホッとしたよ。」
「ん?」
「でもさ、静岡駅の改札で止められちゃってさ〜。」

「ん?」
「改札で特急券渡しているのに、駅員が『乗車券は?』って言うんだ。」
「だから、これです。」
「違います乗車券は?」
「だから、これです。これを東京駅で買いました!」
「これは、特急券です。乗車券は?」
「だからこれが新幹線の特急乗車券です。」
「これだけですか?」
「はい!」
「乗車券代、○千円頂きます。」
「ん!はあ? まあいいや。」

まっちゃん、新幹線に乗るには、普通乗車券と特急券の
2枚が必要なんだよ。
まっちゃん。「いや東京〜静岡は、結構安いなと思っていたんだよ。」
そりゃ安いわ!
でもまっちゃん、よく、東京駅で止められなかったな〜。
流石、まっちゃん。