さりげなく


まっちゃんはコンパが好き。
そして自分がいつもその中心だと思っている。
このまえも自由茶屋で合コンをやった時の話である。
一次会も盛り上がり、ひと段落した。
外のかわらで花火をやることになった。
みんなで、かわらに出て花火をやろうとしたとき、暗闇の中を二人手をつないで来る者達がいる。
まっちゃんだ!みんな呆然とした。
「まっちゃん、いきなり女の子と手をつないでるよ。」
「あいつも、なかなかやるじゃん。」と話をしていた。
合コンの後、まっちゃんが自慢げに言った。
「ああいう時はいいチャンスなんだから、責めなきゃだめだよ。」
「ああいう時はさりげなくいけばなんともないのさ。さりげなくだよ。」
まっちゃん、かっこいい!だけど生意気。
数日後、その女の子達とあった。
その合コンの話になった。
「花火の時、まっちゃんと手をつないでた娘いたよね。」
「あー。あの子。あとで聞いたんだけど、いきなり手をつないできて、怖くて、何も抵抗できなかったらしいよ。」
「えっー?そうだったんだ。」
「もう、あの子、まっちゃんの合コン、うんざりだって。」
それから、その合コンには、まっちゃんに声がかからなくなった。
この事実をまっちゃんは、まだ知らない。まっちゃんがこのページを見るまでは。
流石、まっちゃん。